髪の毛を切った。かなり切った。とくに理由があるでもなく、美容院の椅子に座ったら、やっちまえ!みたいな気持ちになって「めちゃくちゃ短くしてください」と言っていた。だけのことなのだが、会うひとによって「随分短く切りましたね」のあとに「なんかあったんですか?」と探りのジャブをされたり、期待に満ちた目で「どうしたの?」と聞かれたりするので、ああ、なんか一エピソードいるくらい短く切ったんだな。と気づいた。自分では結構気に入っているが、おもしろかった感想としては「板前みたい」というのがある。
最近のビッグニュースといったら、新しい推しができたことにほかならない。
それもただの推しではない。知らないひとはいない大手事務所に所属する男性アイドルだ。自分があの大手事務所のアイドルにハマる日が来るなんて。思いもしなかった。人生はおもしろく不思議で、捉えようのないものだ。
自分としては「私の嗜好もついにここまで来たか」といったかんじなのだが、大手事務所のアイドルを好きになるという風通しの良さたるや。
自分では人生でもっとも危ない境地に立っていると思っているのに「最近、私J事務所の○○ってグループの○○好きで」と簡単にひとに言えてしまえて、簡単にひとに受け入れられることにびっくりする。
朝、職場のひとからラインが来て、なにかと思えば「4チャン出てるよ!!」だったりする。そういう健全な受け止めのされ方にハラハラする。
こんなにハラハラするのは結局私が腐女子的な目線で彼らを捉えているからかもしれない。かもしれないっていうかほぼこれか?これか。
私は相変わらず筋金入りの腐女子なので、彼らをもちろんそういう目でも見ている。さらっと雰囲気だけど小説も書いたし、もっとこってりしたのも今後書いていきたい。
でもふつうにアイドルとしての彼らを好きな自分もいて、そんな自分に驚くのだ。
最近思うのは、たぶんきっと私ってこういう人間だったんだろうな、ということだ。
自分はJ事務所のアイドルを好きになるなんてぜったいない。そういう人間だと思いこんでいたけど、結局それもみんな親に否定されたからなんだろうなとこのごろ思う。面と向かってされたわけではないが、横で悪し様に言われたりした。そういうことが多々あって、否定されたことにも気づかず、なんとなく自分はアイドルを好きにならないんだろうな、と思っていた。だから私はいま閉ざされた青春を楽しんでいるのかもしれない。
そしてそれと反するように、大人になって多少なりとも世の中の厳しさを知ったからこそ、彼らが眩しく映るのかな、という気もする。あんまり言いたかないが、やっぱり子どもを観るような目線で見てしまうときがある。そのわりに腐女子のフィルターで見てもいるわけだが。