ラッキープラネット

推しがいるこの星はラッキープラネット

私が推しを作った理由

5万さんのブログが、このところ活発になってきた。

https://tengoku-match.hatenablog.com/

このブログを読んで、もう彼女が3年もおなじ俳優に熱を上げていることを改めて知った。

リアルタイムで、側近くで、彼女がものすごい勢いで俳優沼にのめりこんで行くのを見ていたものだが、そうかもう3年も経っていたのか〜と感慨深くなった。

今日は私が推しを作った理由を書いていこうと思う。

5万さんが私に最初にした、その俳優にまつわる話題を覚えている。

「俳優のイベントに行って『チェキ』なるものを撮った」

というものだ。

そのまえから、兆候は十分にあった。

その俳優が出てる舞台をU-NEXTで観たら、とても良くてDVDを買ったから一緒に観よう、と誘われたりした。

実際観てたしかによかったが、その舞台は私たちがふたりとも二次創作をしていて、知り合うきっかけとなった作品だったから、私としては俳優沼のカテゴリーではなく、あのころはまだ二次創作のカテゴリーだった。もっとも、5万さんのなかではそうじゃなかったかもしれないが。

その『チェキ』というものの話を、私はそれは楽しく聞いた。まったく知らない世界だったからだ。そんな世界があって、その世界のなかにはそういう独自のルールがあるのね〜、と5万さんの好きなことの話を聞くというより、潜入取材の話を聞くような感覚だったと思う。

親しいひとに新しい話題が増えるのはとても喜ばしいことだし、私は5万さんの妙な行動力が好きなので、軽い気持ちで「また行ったらその話聞かせて〜」くらいのことは言ったと思う。

5万さんはそのとおりにした。会うたびに私に『チェキ』の話や、舞台の話、俳優界隈の話をしてきた。彼女と会って話す内容のなかで、俳優カテゴリーにまつわるものの比重がどんどん大きくなったころ、私は『茶の間』というエグいことばなんかも覚えた。

5万さんの話は知らない世界で、それでいて生臭くて、人間のドロドロが詰まってて、それだからどこか所帯じみていて、だからおもしろかった。

気づけば彼女に会ったら俳優カテゴリーの話をメインにするのが当たり前になっていたし、そのころには私も「5万さんにとって、俳優にまつわるものってちょっとしたおもしろ話ではなく、どうやら人生を傾けているらしい」とわかってきた。

そんな交流が続くなかで、私は次第に思った。

 

5万さん、当分はこの話をまだまだしそうだ。

彼女がこの話をしている間、私はなにを話せばいいのだろう。と。

 

5万さんが俳優にハマるまえ、私たちがどういう話をしていたのか、実はもう思い出せないのだが、おそらくはもっとラリーのように、相互で語り合ったりしていたと思う。

片方が出した話題へ、片方が思わぬ切り返しをして、また話題が広まっていく。持参した話題が、話す前より話したあとのほうがもっともっと理解が深まる。5万さんと話すのが私は好きだった。それは楽しかった。彼女はいつも、私にない視点でものごとを見てくれ、素直な疑問を口にしてくれ、私もまたおなじようにできていたと思う。彼女と話すのはとても実りある時間だった。

彼女が俳優の話をするようになってから、私はもっぱら聞き役になっていた。知らない世界なので、なんと返したらいいかわからなかった。

最初はそれも楽しかったが、俳優のファンが俳優に対して抱くモヤモヤも、俳優のへんな自意識も、遠巻きだとみんなおなじことの繰り返しに見えて、すぐに飽きてしまった。

二人で会ったあと、楽しかったはずなのになぞの不完全燃焼感が残ったりした。

私はまた、5万さんとことばのラリーがしたかった。

相互作用で高まって、元気が出るような会話がしたかった。

5万さんが俳優にのめりこんだここ3年は、私の人生もなかなか変化に富んだ時期で、ここらでテコ入れをしないと彼女とも疎遠になっちゃうかもしれないな、という危惧もあった。おとなの友情は仲違いで終わるのではなく、意識していないとなんとなーく薄くなっていってしまうものだ。

そんなとき、彼が私の目の前に現れたのである。そう!私の推しだ。

このひとのこと、なんとなーく好きだなーって思うし、5万さんが俳優の話をしたときは、このひとの話をすることにしよう。そうしたら、たぶんもっと実りのある会話ができるにちがいない。

なんとなくそんなことを思いながら、冷静なふりをしながら、私はなだれこむように推しにハマって、そしていまにいたる。

 

結論から言うと、この判断は正解だった。

私の5万さんの話の理解度は推しの存在によって飛躍的にあがったし、取り留めのないモヤモヤも理解ができるようになった。

彼女が俳優への思いをぶつけるとき、私もまた推しへの愛を語る。会話がまたラリーになった。

三次元の推しっていいもんだなあ。

自分が推しを作って、また改めて彼女を見てみるとそう思うようになった。

しかしさして時間の経たないうちに、私は推しをあんあん喘がせる二次創作をするようになったので、自分の性根は骨の髄まで腐女子なのだということも、また思い知ったのだった。

いま、また5万さんと話すのが楽しい。彼女もまたそう思ってくれているといいと思う。